東京地裁 2018-12-27 平成28(ワ)25956 <甲事件>/ 平成29(ワ)27366<乙事件>

27

東京地裁 2018-12-27 平成28(ワ)25956 <甲事件>/ 平成29(ワ)27366<乙事件>

特許権侵害損害賠償請求

請求棄却

民事 第46部 柴田義明(裁判長),佐藤雅浩,大下良仁

争点

サポート要件(違反あり)

参照条文

36条6項1号 104条の3

原告

ソニー株式会社 (甲・乙事件原告)

被告

富士フイルム株式会社 (甲事件被告)/ 富士フイルムメディア マニュファクチャリング株式会社 (乙事件被告)

発明の名称等

「磁気記録媒体」

分野

化学

分類

構造(磁気記録媒体)

ポイント

 当業者は,本件明細書の記載から,式(1)によって記録電流値の裕度を確保するという課題を解決できると認識できるとはいえず,また,本件出願当時の技術常識から,上記課題を解決できると認識できるともいえない。

 知財高裁 2018-12-27 平成29(行ケ)10225

58

知財高裁 2018-12-27 平成29(行ケ)10225

審決取消請求

請求棄却

第4部 大鷹一郎(裁判長),古河謙一,関根澄子

争点

サポート要件(違反なし→なし)

参照条文

36条6項1号

原告

サノフィ(無効審判請求人)

被告

アムジエン・インコーポレーテッド(特許権者)

発明の名称等

「プロタンパク質コンベルターゼスブチリシンケクシン9型(PCSK9)に対する抗原結合タンパク質」 <「PCSK9に対する抗原結合タンパク質」事件①>

分野

医薬類

分類

用途(PCSK9に対する抗原結合タンパク質)

ポイント

 甲1に接した当業者は,上記2441の安定なハイブリドーマから得られる残りの抗体についても,同様のエピトープビニングアッセイを行えば,本件訂正発明1の特許請求の範囲(請求項1)に含まれる参照抗体と競合する中和抗体を得られるものと認識できるものと認められる。さらに,当業者は,本件明細書記載の免疫プログラムの手順及びスケジュールに従った免疫化マウスの作製及び選択,選択された免疫化マウスを使用したハイブリドーマの作製,本件明細書記載のPCSK9とLDLRとの結合相互作用を強く遮断する抗体を同定するためのスクリーニング及びエピトープビニングアッセイを最初から繰り返し行うことによって,本件明細書に記載された参照抗体と競合する中和抗体以外にも,本件訂正発明1の特許請求の範囲(請求項1)に含まれる参照抗体と競合する様々な中和抗体を得られるものと認識できるものと認められる。

 知財高裁 2018-12-27 平成29(行ケ)10226

59

知財高裁 2018-12-27 平成29(行ケ)10226

審決取消請求

請求棄却

第4部 大鷹一郎(裁判長),古河謙一,関根澄子

争点

実施可能要件(違反なし→なし)

参照条文

36条6項1号

原告

サノフィ(無効審判請求人)

被告

アムジエン・インコーポレーテッド(特許権者)

発明の名称等

「プロタンパク質コンベルターゼスブチリシンケクシン9型(PCSK9)に対する抗原結合タンパク質」 <「PCSK9に対する抗原結合タンパク質」事件②>

分野

医薬類

分類

用途(PCSK9に対する抗原結合タンパク質)

ポイント

 甲1に接した当業者は,上記2441の安定なハイブリドーマから得られる残りの抗体についても,同様のエピトープビニングアッセイを行えば,本件訂正発明1の特許請求の範囲(請求項1)に含まれる参照抗体と競合する中和抗体を得られるものと認識できるものと認められる。さらに,当業者は,本件明細書記載の免疫プログラムの手順及びスケジュールに従った免疫化マウスの作製及び選択,選択された免疫化マウスを使用したハイブリドーマの作製,本件明細書記載のPCSK9とLDLRとの結合相互作用を強く遮断する抗体を同定するためのスクリーニング及びエピトープビニングアッセイを最初から繰り返し行うことによって,本件明細書に記載された参照抗体と競合する中和抗体以外にも,本件訂正発明1の特許請求の範囲(請求項1)に含まれる参照抗体と競合する様々な中和抗体を得られるものと認識できるものと認められる。

 知財高裁 2018-12-26 平成30(行ケ)10022 

10

知財高裁 2018-12-26 平成30(行ケ)10022 

審決取消請求

請求棄却

第2部 森義之(裁判長),佐野信,熊谷大輔

争点

進歩性(なし→なし)

参照条文

29条2項

原告

コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン(特許出願人)

被告

特許庁長官

発明の名称等

「トレッドが高トランス含量を有するエマルジョンSBRを含むタイヤ」

分野

化学

分類

組成物(タイヤ)

ポイント

 刊行物1には,強化充填剤として,シリカである強化白色充填剤を50~150phrの変動量で含むことが記載されており,本願発明の高用量のシリカが記載されているものと認められる。

 知財高裁 2018-12-25 平成30(ネ)10059 <原審;東京地方裁判所平成29(ワ)28060>

38

知財高裁 2018-12-25 平成30(ネ)10059 <原審;東京地方裁判所平成29(ワ)28060>

特許権侵害による損害賠償債務不存在確認等請求控訴

控訴認容

第1部 高部眞規子(裁判長),杉浦正樹,片瀬亮

争点

損害賠償請求権不存在確認の利益の有無(確認の利益あり)

参照条文

民709条

原告

株式会社ヒラノテクシード <控訴人(一審原告)>/エスケーシーコロン ピーアイ インコーポレイテッド(補助参加人)

被告

株式会社カネカ <被控訴人(一審被告)>

発明の名称等

「樹脂フィルムの連続製造方法及び装置及び設備」 <「樹脂フィルムの連続製造方法」事件②>

分野

化学

分類

方法(樹脂フィルム連続製造)

ポイント

 控訴人と被控訴人との間に本件各特許権侵害を理由とする損害賠償請求権の存否について争いがあり,控訴人は,被控訴人から,上記損害賠償請求権を行使されるおそれが現に存在するというべきである。したがって,被控訴人が控訴人に対し,本件各特許権侵害を理由とする損害賠償請求権を有しないことの確認を求める訴えは,即時確定の利益を有する。

 知財高裁 2018-12-20 平成30(行コ)10001 <原審;東京地方裁判所平成29(行ウ)363>

83

知財高裁 2018-12-20 平成30(行コ)10001 <原審;東京地方裁判所平成29(行ウ)363>

手続却下処分取消請求控訴

控訴棄却

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),寺田利彦,間明宏充

争点

翻訳文不提出に係る正当理由の有無(正当理由なし)

参照条文

184条の4第4項

原告

ジボダン エス エー <控訴人(一審原告;特許権者)>

被告

国 <被控訴人(一審被告)>/特許庁長官<被控訴人(処分行政庁)>

発明の名称等

「食品組成物」

分野

食品

分類

組成物(フレーバー)

ポイント

 控訴人は,本件代表アドレスと本件プライベートアドレスの二つのメールアドレスを認識していたが,そのうちの一つは連絡の際に使用してはならないものであったというのであるから,控訴人としては,そもそもそのようなアドレスが使われないよう配慮すべきであったし,仮に何らかの事情から上記アドレスも使用可能にしておく必要があったのであれば,本件控訴人補助者に対し,宛先として正しいメールアドレスを選択するよう,適切に管理,監督する必要があったにもかかわらず,そのような管理,監督をしていたとは認められないこと等の事情に照らしてみれば,控訴人は,本件の誤送信防止について,相当な注意を尽くしていたとはいい難い。

 知財高裁 2018-12-19 平成29(ネ)10098 <原審;東京地方裁判所平成28(ワ)14131>

50

知財高裁 2018-12-19 平成29(ネ)10098 <原審;東京地方裁判所平成28(ワ)14131>

特許権侵害行為差止請求控訴

控訴棄却

第2部 森義之(裁判長),佐野信,熊谷大輔

争点

進歩性(なし)

参照条文

29条2項 104条の3

原告

レオファーマアクティーゼルスカブ <控訴人(一審原告;特許権者)>

被告

中外製薬株式会社/マルホ株式会社 <被控訴人(一審被告)>

発明の名称等

「医薬組成物」

分野

医薬類

分類

製剤(マキサカルシトールとベタメタゾンとの合剤)

ポイント

 本件優先日当時の当業者は,乙15発明の合剤を1日2回適用から1日1回適用への変更が可能であることを容易に想到し得るといえる。さらに,マキサカルシトールとの関係でも,本件優先日以前に頒布された刊行物である乙17によると,マキサカルシトールは,1日1回の適用が,尋常性乾癬の管理に効果的であり,25μg/gにおいて,乾癬の顕著な改善又は略治において,最大の効果を示すことが当業者に知られていたから,相違点1の構成であるマキサカルシトールを用いる場合であっても,1日1回適用の方が好ましいものとして,タカルシトールと同様の設定を行うことは,当業者が,容易に想到し得たものといえる。

 知財高裁 2018-12-10 平成30(行ケ)10068

4

知財高裁 2018-12-10 平成30(行ケ)10068

審決取消請求

請求棄却

第2部 森義之(裁判長),佐野信,熊谷大輔

争点

進歩性(なし→なし)

参照条文

29条2項

原告

日本ゼオン株式会社(特許出願人)

被告

特許庁長官

発明の名称等

「合わせガラス」

分野

化学

分類

構造(合わせガラス)

ポイント

 当業者は,上記のような技術分野の同一性,構造及び機能並びに課題の共通性を踏まえ,引用発明で中間膜として用いられている(可塑剤が添加された)PVBフィルムを引用文献2の(可塑剤が添加されていない)アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物[3]中間膜に一体として置き換えることを容易に想到するということができる。

 知財高裁 2018-12-06 平成30(行ケ)10041

26

知財高裁 2018-12-06 平成30(行ケ)10041

審決取消請求

請求認容

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),高橋彩,間明宏充

争点

サポート要件(違反あり→なし)

参照条文

36条6項1号

原告

Next Innovation合同会社(特許出願人)

被告

特許庁長官

発明の名称等

「地殻様組成体の製造方法」

分野

化学

分類

方法(地殻様組成体の製造方法)

ポイント

 本願発明1の上記特定事項については,セシウム及びストロンチウムを放射性物質として含む,即ち,セシウムとストロンチウムの両者を同時に放射性物質として含む場合には,セシウム及びストロンチウムの気化温度未満で汚染材を焼成,即ち,両者の気化温度に共通する部分となる(より低い気化温度である)セシウムの気化温度未満で焼成するものと解するのが自然である。また,セシウム又はストロンチウムのいずれか一方のみを放射性物質として含む場合には,当該放射性物質の気化温度未満で焼成するものと解される。

 知財高裁 2018-11-28 平成29(行ケ)10230

25

知財高裁 2018-11-28 平成29(行ケ)10230

特許取消決定取消請求

請求認容

第2部 森義之(裁判長),佐野信,熊谷大輔

争点

サポート要件(違反あり→なし)

参照条文

36条6項1号

原告

宇部興産株式会社(特許権者)

被告

特許庁長官

発明の名称等

「ポリイミド,及びポリイミド前駆体」

分野

化学

分類

方法(ポリイミドの製造方法)

ポイント

 本件明細書に接した当業者は,ポリイミドの原料モノマーとして通常用いられるテトラカルボン酸誘導体及びジアミン誘導体のそれぞれについて,当業者に期待し得る通常の創作能力の発揮によって原料を選択(例えば,芳香族化合物か脂肪族化合物かの選択等)し,公知の方法による精製を施すことによって請求項1に記載された特定の光透過率を満足する原料モノマーを得ることができ,このような原料モノマーを用いて,請求項1記載の溶媒やイミド化温度等の合成条件により,テトラカルボン酸誘導体とジアミン誘導体とからなるポリイミドの着色を抑制し,透明性の改善を図るという本件発明1の課題を解決できることを認識できるものと認められる。

 東京地裁 2018-11-28 平成29(ワ)28884

63

東京地裁 2018-11-28 平成29(ワ)28884

特許権侵害差止等請求

請求棄却

民事 第29部 山田真紀(裁判長),伊藤清隆,西山芳樹

争点

技術的範囲の属否(属しない)

参照条文

70条

原告

ベー・エル・アー・ハー・エム・エス・ゲーエムベーハー

被告

ラジオメーター株式会社

発明の名称等

「敗血症及び敗血症様全身性感染の検出のための方法及び物質」

分野

医薬類

分類

方法(敗血症検出方法)

ポイント

 被告装置及び被告キットを使用すると,患者の検体中において,プロカルシトニン3-116とプロカルシトニン1-116とを区別することなく,いずれをも含み得るプロカルシトニンの濃度を測定することができ,その測定結果に基づき敗血症の鑑別診断等が行われていると認められるものの,本件全証拠によっても,被告装置及び被告キットを使用して敗血症等を検出する過程で,プロカルシトニン3-116の量が明らかにされているとは認められず,更にいえば,プロカルシトニン3-116の存在自体も明らかになっているとはいえない。したがって,被告方法は,構成要件Aの「プロカルシトニン3-116を測定する」を充足するとはいえない。

 大阪地裁 2018-11-26 平成29(ワ)6494

79

大阪地裁 2018-11-26 平成29(ワ)6494

自由発明対価等請求

請求却下

第26 民事部 髙松宏之(裁判長),野上誠一,大門宏一郎

争点

特許を受ける権利を譲渡したか否か(譲渡していない)

参照条文

35条

原告

P1

被告

サントリーホールディングス株式会社

発明の名称等

「器質的脳障害に起因する高次脳機能の低下に対する改善作用を有する組成物」 

分野

食品

分類

組成物(記憶低下改善)

ポイント

 本件原出願を行うに当たり,サントリーと金沢大学がそれぞれの持分を50%ずつと定めたことや,その後の補償金の支払を,サントリーはP3に対してのみ,金沢大学は原告に対してのみしていることも,サントリーはP3から,金沢大学は原告から,それぞれ各持分の全ての譲渡を受けたと見ることが整合的である。以上からすると,本件発明に係る原告の特許を受ける権利の持分がサントリーに譲渡されたとは認められない。

 知財高裁 2018-11-22 平成29(行ケ)10122

11

知財高裁 2018-11-22 平成29(行ケ)10122

審決取消請求

請求棄却

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),高橋彩,間明宏充

争点

進歩性(あり→あり)

参照条文

29条2項

原告

JNC株式会社(無効審判請求人)

被告

DIC株式会社(特許権者)

発明の名称等

「ネマチック液晶組成物」 <「ネマチック液晶組成物」事件①>

分野

化学

分類

組成物(ネマチック液晶)

ポイント

 当業者は,ネマチック相に与える影響を考慮すると,モノアルケニルビシクロヘキサン化合物の中では,CC-3-Vよりも,CC-3-V1,CC-5-Vが好ましいと理解すると考えられることに鑑みると,甲1において,式Iの化合物の濃度が「24重量%以上」と特定されているとしても,例M1~例M8において,広い温度範囲のネマチック相を得る目的で配合されているCC-3-V1などを,専らCC-3-Vに置き換えるとともに,CC-3-Vの配合量を35重量%以上とすることまで,容易に想到できたということはできない。

 知財高裁 2018-11-22 平成29(行ケ)10123

12

知財高裁 2018-11-22 平成29(行ケ)10123

審決取消請求

請求棄却

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),高橋彩,間明宏充

争点

進歩性(あり→あり)

参照条文

29条2項

原告

JNC株式会社(無効審判請求人)

被告

DIC株式会社(特許権者)

発明の名称等

「ネマチック液晶組成物」 <「ネマチック液晶組成物」事件②>

分野

化学

分類

組成物(ネマチック液晶)

ポイント

 当業者は,ネマチック相に与える影響を考慮すると,モノアルケニルビシクロヘキサン化合物の中では,CC-3-Vよりも,CC-3-V1,CC-5-Vが好ましいと理解すると考えられることに鑑みると,甲1において,式Iの化合物の濃度が「24重量%以上」と特定されているとしても,例M1~例M8において,広い温度範囲のネマチック相を得る目的で配合されているCC-3-V1などを,専らCC-3-Vに置き換えるとともに,CC-3-Vの配合量を35重量%以上とすることまで,容易に想到できたということはできない。

 知財高裁 2018-11-22 平成29(行ケ)10166

13

知財高裁 2018-11-22 平成29(行ケ)10166

審決取消請求

請求棄却

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),高橋彩,間明宏充

争点

進歩性(あり→あり)

参照条文

29条2項

原告

JNC株式会社(無効審判請求人)

被告

DIC株式会社(特許権者)

発明の名称等

「ネマチック液晶組成物」 <「ネマチック液晶組成物」事件③>

分野

化学

分類

組成物(ネマチック液晶)

ポイント

 当業者は,ネマチック相に与える影響を考慮すると,モノアルケニルビシクロヘキサン化合物の中では,CC-3-Vよりも,CC-3-V1,CC-5-Vが好ましいと理解すると考えられることに鑑みると,甲1において,式Iの化合物の濃度が「24重量%以上」と特定されているとしても,例M1~例M8において,広い温度範囲のネマチック相を得る目的で配合されているCC-3-V1などを,専らCC-3-Vに置き換えるとともに,CC-3-Vの配合量を35重量%以上とすることまで,容易に想到できたということはできない。

 知財高裁 2018-11-21 平成29(行ケ)10196

42

知財高裁 2018-11-21 平成29(行ケ)10196

審決取消請求

請求棄却

第4部 大鷹一郎(裁判長),古河謙一,関根澄子

争点

進歩性(なし→なし)

参照条文

29条2項

原告

メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション/メルク シャープ エンド ドーム リミテッド(特許出願人)

被告

特許庁長官

発明の名称等

「ジペプチジルペプチダーゼ―IV阻害剤の新規結晶形」

分野

医薬類

分類

結晶(ジペプチジルペプチダーゼ―IV阻害剤の結晶)

ポイント

 本願の優先日当時の技術常識に照らすと,刊行物1に接した当業者においては,医薬化合物である実施例1の最終生成物の化合物P(引用発明)について,医薬品原薬を恒常的に安定製造するための結晶化条件の最適化の検討を行うとともに,結晶多形の最適化のための結晶多形の探索乃至多形スクリーニングを行う動機付けがあるものと認められる。

 知財高裁 2018-11-20 平成29(行ケ)10147

41

知財高裁 2018-11-20 平成29(行ケ)10147

審決取消請求

請求棄却

第1部 高部眞規子(裁判長),杉浦正樹,片瀬亮

争点

進歩性(なし→なし)

参照条文

29条2項

原告

帝人株式会社(特許権者)

被告

日本ケミファ株式会社(無効審判請求人)

発明の名称等

「2-(3-シアノ-4-イソブチルオキシフェニル)-4-メチル-5-チアゾールカルボン酸の結晶多形体およびその製造方法」

分野

医薬類

分類

結晶(2-(3-シアノ-4-イソブチルオキシフェニル)-4-メチル-5-チアゾールカルボン酸)

ポイント

 本件化合物は,引用例1~3の記載により結晶多形の存在を認識し得る。そうすると,引用発明1-1,2-1及び3の結晶について,当業者には,再結晶条件につき検討を加えることで,安定性や製剤化に優れる結晶多形体を得ることについての動機付けがあるということができる。

 知財高裁 2018-11-06 平成29(行ケ)10117

69

知財高裁 2018-11-06 平成29(行ケ)10117

特許取消決定取消請求

請求認容

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),寺田利彦,間明宏充

争点

進歩性(なし→あり)

参照条文

29条2項

原告

アルフレッサファーマ株式会社

被告

特許庁長官

発明の名称等

「マイコプラズマ・ニューモニエ検出用イムノクロマトグラフィー試験デバイスおよびキット」

分野

バイオ

分類

装置(マイコプラズマ・ニューモニエ検出用イムノクロマトグラフィー試験デバイス)

ポイント

 たとえ様々なモノクローナル抗体を得る技術自体は周知技術であるとしても,本件取消決定が認定した引用発明1のラテラルフローデバイスは,引用例1の記載及び本件出願時の技術常識から,直ちに作ることができるものとはいえない。したがって,引用例1に引用発明が記載されている(あるいは,記載されているに等しい)ということはできない。

 知財高裁 2018-10-30 平成29(行ケ)10158

47

知財高裁 2018-10-30 平成29(行ケ)10158

審決取消請求

請求棄却

第1部 高部眞規子(裁判長),杉浦正樹,片瀬亮

争点

進歩性(あり→あり)

参照条文

29条2項

原告

スリー・ディー・マトリックスインク(無効審判請求人)

被告

マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー/バーシテック リミテッド(特許権者)

発明の名称等

「止血および他の生理学的活性を促進するための組成物および方法」

分野

医薬類

分類

用途(出血抑制剤)

ポイント

 ゲル生成による止血剤に関する周知技術を参酌しても,当業者は,引用発明に係る止血剤について,「Ac-RADARADARADARADA-CONH 2 を含む1%水溶液,3%水溶液又は3%ゲル」において,RADA16のみが有効成分になって,止血作用を有することまで理解できるものではない。

 知財高裁 2018-10-29 平成29(行ケ)10191

72

知財高裁 2018-10-29 平成29(行ケ)10191

審決取消請求

請求認容

第2部 森義之(裁判長),森岡礼子,古庄研

争点

明確性要件(違反あり→なし)

参照条文

36条6項2号

原告

国立大学法人 山形大学(特許出願人)

被告

特許庁長官

発明の名称等

「溶液から細胞を分離する細胞分離方法,および,細胞分取用水和性組成物」

分野

バイオ

分類

方法(溶液からの細胞分離方法)

ポイント

 「中間水」の概念をその内容に含む研究は,平成21年に日本バイオマテリアル学会科学奨励賞を受賞したのであるから,当該研究内容は,日本バイオマテリアル学会の構成員や関係者には,平成21年の時点において,知られており,注目されていたと認められるのであって,本願明細書に記載された内容の「中間水」の概念は,本願出願時において,当業者の技術常識になっていたと認めることができるというべきである。

 知財高裁 2018-10-25 平成29(行ケ)10113

28

知財高裁 2018-10-25 平成29(行ケ)10113

審決取消請求

請求棄却

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),高橋彩,間明宏充

争点

明確性要件(違反なし→なし)

参照条文

36条6項2号

原告

サラヤ株式会社(無効審判請求人)

被告

デブ アイピー リミテッド(特許権者)

発明の名称等

「シリコーン・ベースの界面活性剤を含むアルコール含有量の高い発泡性組成物」

分野

化学

分類

組成物(発泡性組成物)

ポイント

 本件明細書に記載された定義と,本件発明における泡の作用効果に関する記載からすると,本件発明における「泡」との語は,泡沫を意味するものであることは明らかである。本件明細書の記載及び親出願の出願日当時における当業者の技術的常識を基礎とすると,本件発明1に係る特許請求の範囲の記載が,第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるとはいえない。

 知財高裁 2018-10-23 平成29(ネ)10097 <原審;東京地方裁判所平成25(ワ)30271>

19

知財高裁 2018-10-23 平成29(ネ)10097 <原審;東京地方裁判所平成25(ワ)30271>

職務発明対価金請求控訴

控訴棄却

第1部 高部眞規子(裁判長),杉浦正樹,片瀬亮

争点

職務発明対価請求権(不存在)

参照条文

35条3項

原告

X <控訴人(一審原告)>

被告

キヤノン株式会社 <被控訴人(一審被告)>

発明の名称等

「電池,二次電池,リチウムイオン二次電池又はリチウムイオン二次電池に関する複数の発明」

分野

化学

分類

装置(リチウムイオン二次電池)

ポイント

 LP-E6電池は本件発明1-3の実施品であると認められるが,これらの発明は,従来技術と比較して技術的優位性を有する特徴的部分を備えていない。したがって,仮に,本件発明1-3の実施品であるLP-E6電池を譲渡したことにより被控訴人が利益を得ていたとしても,本件発明1-3により被控訴人が受けるべき利益は存しない,又はその利益の額は微々たるものというべきである。

 知財高裁 2018-10-22 平成29(行ケ)10106

49

知財高裁 2018-10-22 平成29(行ケ)10106

審決取消請求

請求認容

第2部 森義之(裁判長),森岡礼子,古庄研

争点

進歩性(あり→なし)

参照条文

29条2項

原告

セルトリオン インコーポレイテッド(無効審判請求人)/ ファイザー株式会社(補助参加人)

被告

ジェネンテック インコーポレイテッド(特許権者)

発明の名称等

「抗-ErbB2抗体による治療」 <「乳癌治療薬」事件②>

分野

医薬類

分類

用途(乳癌治療薬)

ポイント

 甲1に接した当業者が,HER2蛋白を過剰発現する手術可能乳がんの治療のために,手術前に甲1発明の医薬を化学療法剤と併用投与し,手術を行い,更に手術後に甲1発明の医薬を化学療法剤と併用投与することは,容易に想到し得たものと認められる。

 知財高裁 2018-10-11 平成29(行ケ)10160

44

知財高裁 2018-10-11 平成29(行ケ)10160

審決取消請求

請求棄却

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),高橋彩,間明宏充

争点

進歩性(あり→あり)

参照条文

29条2項

原告

エルメッドエーザイ株式会社(無効審判請求人)

被告

大日本住友製薬株式会社(特許権者)

発明の名称等

「光安定性の向上した組成物」

分野

医薬類

分類

製剤(べシル酸アムロジピン非被覆製剤)

ポイント

 甲1発明のベシル酸アムロジピンを含有するフィルムコート錠を,敢えてフィルムコートを有しない経口固形組成物に変更することには,光による変色・分解物の発生のおそれ,苦み,薬剤の溶出挙動の変化等の観点から阻害要因があるというべきである。

 知財高裁 2018-10-11 平成29(行ケ)10165<甲事件>/平成29(行ケ)10192<乙事件>

48

知財高裁 2018-10-11 平成29(行ケ)10165<甲事件>/平成29(行ケ)10192<乙事件>

審決取消請求

請求認容

第1部 高部眞規子(裁判長),杉浦正樹,片瀬亮

争点

進歩性(あり→なし)

参照条文

29条2項

原告

セルトリオン・インコーポレイテッド (乙事件原告;無効審判請求人)/ファイザー・ホールディングズ合同会社 (甲事件原告;参加人)

被告

ジェネンテック,インコーポレイテッド (甲・乙事件被告;特許権者)

発明の名称等

「抗ErbB2抗体を用いた治療のためのドーセージ」 <「乳癌治療薬」事件①>

分野

医薬類

分類

用途(乳癌治療薬)

ポイント

 当業者は,引用発明2-1のとおり本件抗体を4/2/1投与計画によって投与するだけではなく,本件抗体の投与量と投与間隔を,その効能と副作用を観察しながら調整しつつ,本件抗体の投与期間について,費用効率,利便性の観点から,併用される化学療法剤の投与期間に併せて3週間とすることや,本件抗体の投与量について,8mg/kg程度までの範囲内で適宜増大させることは容易に試みるというべきである。そして,当業者が,このように通常の創作能力を発揮すれば,本件抗体を8/6/3投与計画によって投与するに至るのは容易である。

 知財高裁 2018-10-11 平成29(行ケ)10212

77

知財高裁 2018-10-11 平成29(行ケ)10212

審決取消請求

請求棄却

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),寺田利彦,間明宏充

争点

進歩性(あり→あり)

参照条文

29条2項

原告

株式会社エヌ・エル・エー(無効審判請求人)

被告

株式会社東洋新薬(特許権者)

発明の名称等

「黒ショウガ成分含有組成物」

分野

食品

分類

組成物(黒ショウガ成分含有組成物)

ポイント

 甲3発明の「茶ポリフェノール粒子」に代えて,甲2に記載された「黒ショウガ粉末を含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤であって,フラボノイドを有効成分とし,当該有効成分を経口摂取するもの」や,甲1に記載された「冷え性改善用の黒ショウガの根茎加工物,抽出物,黒ショウガ搾汁液及び/または黒ショウガ搾汁液の抽出物の乾燥粉末」を適用する動機付けがあるとはいえない。

 大阪地裁 2018-10-04 平成28(ワ)4107

51

大阪地裁 2018-10-04 平成28(ワ)4107

職務発明の譲渡対価請求

請求認容

第26 民事部 髙松宏之(裁判長),野上誠一,大門宏一郎

争点

職務発明対価請求権(4728万4116円支払え)

参照条文

35条

原告

P1

被告

アステラス製薬株式会社

発明の名称等

「デプシペプチド誘導体,その製法およびその用途」

分野

医薬類

分類

物質(デプシペプチド誘導体)

ポイント

 特許法35条3項又はその類推適用に基づく平成16年4月1日以降に藤沢薬品及び被告が受けるべき利益を基礎とする相当の対価の額は,次のとおり●(省略)●円である。 (計算式)  ●(省略)●円×0.075(発明者貢献割合(1-使用者貢献割合0.925))×0.8(原告の発明者間貢献割合)=●(省略)●円(1円未満は四捨五入) 他方で,原告は,被告から本件請求に係る期間に対応する平成15年施行規則に基づく補償金として,平成21年3月に●(省略)●円の支払を受け,これは弁済に当たるから,上記認定の相当の対価の額から控除すべきである。そうすると,原告が被告に対して請求することができる相当の対価の額は,4728万4116円となる。

 知財高裁 2018-09-20 平成29(行ケ)10144

40

知財高裁 2018-09-20 平成29(行ケ)10144

審決取消請求

請求棄却

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),高橋彩,寺田利彦

争点

進歩性(なし→なし)

参照条文

29条2項

原告

株式会社デンソー/国立大学法人筑波大学/藻バイオテクノロジーズ株式会社

被告

特許庁長官

発明の名称等

「保湿剤」

分野

医薬類

分類

化粧品(保湿剤)

ポイント

 本件出願時の化粧品の分野の当業者が,常温で液体の炭化水素である甲1炭化水素成分を含む化粧品について,上記の技術常識を用いて,保湿剤の機能を想到するのは容易であったというべきである。

 知財高裁 2018-09-19 平成29(行ケ)10171

46

知財高裁 2018-09-19 平成29(行ケ)10171

審決取消請求

請求認容

第4部 大鷹一郎(裁判長),山門優,筈井卓矢

争点

進歩性(あり→なし)

参照条文

29条2項

原告

沢井製薬株式会社(無効審判請求人)

被告

シャイア インターナショナル ライセンシング ベー.ブイ.(特許権者)

発明の名称等

「選択された炭酸ランタン水和物を含有する医薬組成物」

分野

医薬類

分類

用途(高リン酸塩血症治療剤)

ポイント

 本件出願の優先日当時の技術常識又は周知技術に照らすと,甲1に接した当業者においては,甲1記載の炭酸ランタン1水和物(甲1発明)について,リン酸イオン除去率がより高く,溶解度,溶解速度,化学的安定性及び物理的安定性に優れたリン酸イオンの固定化剤を求めて,水和水の数の異なる炭酸ランタン水和物の調製を試みる動機付けがあるものと認められる。

 知財高裁 2018-09-19 平成29(行ケ)10182

76

知財高裁 2018-09-19 平成29(行ケ)10182

審決取消請求

請求棄却

第4部 大鷹一郎(裁判長),山門優,筈井卓矢

争点

進歩性(なし→なし)

参照条文

29条2項

原告

有限会社バイオメディカルリサーチグループ/X(特許出願人)

被告

特許庁長官

発明の名称等

「キノコ発酵エキス」

分野

食品

分類

組成物(キノコ発酵エキス)

ポイント

 引用例1乃至3に接した当業者においては,糖質又は蛋白質(タンパク質)が豊富な食品材料であるキノコは,穀物,海草,豆類の食用植物に由来する素材と同様に,引用例2記載のパントエア・アグロメランスを用いる発酵及び培養に適応し得るものと理解し,引用発明において,免疫賦活物質の生産をより向上させるために,「麹菌,乳酸菌および酵母の群から選択された一種または複数種」を用いて発酵させる構成に代えて,パントエア・アグロメランスを用いて発酵させる構成(相違点に係る本願発明の構成)とする動機付けがあるものと認められるから,引用例1乃至3に基づいて,相違点に係る本願発明の構成を容易に想到することができたものと認められる。

 知財高裁 2018-09-18 平成29(行ケ)10045

71

知財高裁 2018-09-18 平成29(行ケ)10045

特許取消決定取消請求

請求棄却

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),高橋彩,間明宏充

争点

実施可能要件(違反あり→あり)

参照条文

36条4項1号

原告

ノバルティス アーゲー

被告

特許庁長官

発明の名称等

「低比重リポタンパク質受容体関連タンパク質6(LRP6)を調節するための分子および方法」

分野

バイオ

分類

物質(LRP6調節分子)

ポイント

 本件明細書の発明の詳細な説明における他の記載及び本件特許の出願時の技術常識を考慮しても,特許請求の範囲に規定されている300程度のアミノ酸の配列に基づき,Wnt1に特異的である等の機能を有するLRP6結合分子を得るためには,当業者に期待し得る程度を超える試行錯誤をする必要があると認めるのが相当である。

 東京地裁 2018-09-14 平成29(ワ)17070

52

東京地裁 2018-09-14 平成29(ワ)17070

職務発明の譲渡対価請求

請求棄却

民事 第40部 佐藤達文(裁判長),三井大有,遠山敦士

争点

職務発明対価請求権(時効消滅)

参照条文

35条 民166条1項 民167条1項

原告

A

被告

ファイザー株式会社

発明の名称等

「キヌクリジン誘導体及びその組成物」

分野

医薬類

分類

物質(キヌクリジン誘導体)

ポイント

 本件支給金は本件特許を受ける権利の譲渡の対価としての性質を有しないと解すべきであるので,本件支給金の支払により消滅時効が中断することはなく,同請求権は,平成19年12月31日の経過によって時効消滅したと認めるのが相当である。

 知財高裁 2018-09-06 平成29(行ケ)10210

62

知財高裁 2018-09-06 平成29(行ケ)10210

審決取消請求

請求認容

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),高橋彩,寺田利彦

争点

明確性要件(違反あり→なし)

参照条文

36条6項2号

原告

ロート製薬株式会社(特許権者)

被告

Y(無効審判請求人)

発明の名称等

「眼科用清涼組成物」

分野

医薬類

分類

組成物(眼科用清涼組成物)

ポイント

 「生化学工業株式会社から販売されているコンドロイチン硫酸ナトリウム(平均分子量約1万,平均分子量約2万,平均分子量約4万等)」については,本件出願日当時,生化学工業株式会社は,同社製のコンドロイチン硫酸ナトリウムの平均分子量について重量平均分子量の数値を提供しており,同社製のコンドロイチン硫酸ナトリウムの平均分子量として当業者に公然に知られた数値は重量平均分子量の数値であったことからすれば,その「平均分子量」は重量平均分子量であると合理的に理解することができ,そうだとすると,本件訂正後の特許請求の範囲の「平均分子量が2万~4万のコンドロイチン硫酸或いはその塩」にいう平均分子量も重量平均分子量を意味するものと推認することができる。

 知財高裁 2018-09-04 平成29(行ケ)10172

60

知財高裁 2018-09-04 平成29(行ケ)10172

審決取消請求

請求棄却

第1部 高部眞規子(裁判長),杉浦正樹,片瀬亮

争点

サポート要件(違反あり→あり)

参照条文

36条6項1号

原告

塩野義製薬株式会社(特許権者)

被告

MSD株式会社(無効審判請求人)

発明の名称等

「抗ウイルス剤」 <「抗ウイルス剤」事件①>

分野

医薬類

分類

用途(インテグラーゼ阻害剤)

ポイント

 原出願日時点におけるインテグラーゼ阻害剤の構造に対するわずかな修飾変化によって,そのインテグラーゼ阻害作用に大きな差異が生じ得るとの前記の技術常識に照らせば,A群等試験例化合物及びB群等試験例化合物がインテグラーゼ阻害作用を有することを示す薬理データをもって,当業者が,本件発明1に係る化合物についてもインテグラーゼ阻害作用を有すると認識することはできない。

 知財高裁 2018-09-04 平成29(ネ)10105 <原審;東京地方裁判所平成27(ワ)23087>

61

知財高裁 2018-09-04 平成29(ネ)10105 <原審;東京地方裁判所平成27(ワ)23087>

特許権侵害差止等請求控訴

控訴棄却

第1部 高部眞規子(裁判長),杉浦正樹,片瀬亮

争点

サポート要件(違反あり)

参照条文

36条6項1号 104条の3

原告

塩野義製薬株式会社 <控訴人(一審原告;特許権者)>

被告

MSD株式会社 <被控訴人(一審被告)>

発明の名称等

「抗ウイルス剤」 <「抗ウイルス剤」事件②>

分野

医薬類

分類

用途(インテグラーゼ阻害剤)

ポイント

 原出願日時点におけるインテグラーゼ阻害剤の構造に対するわずかな修飾変化によって,そのインテグラーゼ阻害作用に大きな差異が生じ得るとの前記の技術常識に照らせば,A群等試験例化合物及びB群等試験例化合物がインテグラーゼ阻害作用を有することを示す薬理データをもって,当業者が,本件発明1に係る化合物についてもインテグラーゼ阻害作用を有すると認識することはできない。

 知財高裁 2018-08-22 平成29(行ケ)10216

1

知財高裁 2018-08-22 平成29(行ケ)10216

審決取消請求

請求認容

第2部 森義之(裁判長),佐野信,熊谷大輔

争点

補正の適法性(新規事項追加あり→なし)

参照条文

17条の2第3項

原告

ホーユー株式会社

被告

特許庁長官

発明の名称等

「染毛剤,その使用方法及び染毛剤用品」

分野

化学

分類

組成物(染毛剤)

ポイント

 当業者が,当初明細書等に接した場合,そこに記載されている撹拌羽が,ET-3Aに付属品として添付されている200mlビーカー用の本件撹拌羽根を指していると理解することができるものと認められる。そして,特定事項aは,200mlビーカー用の本件撹拌羽根の実寸法を追加するものであるから,特定事項aを本願の請求項1に記載することが,明細書又は図面の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係で新たな技術的事項を導入するものとはいえず,新規事項追加の判断の誤りをいう原告の主張は理由がある。

 知財高裁 2018-07-18 平成29(行ケ)10114

39

知財高裁 2018-07-18 平成29(行ケ)10114

審決取消請求

請求棄却

第4部 大鷹一郎(裁判長),古河謙一,関根澄子

争点

新規性(あり→あり)

参照条文

29条1項3号

原告

日新製薬株式会社/日本ケミファ株式会社(無効審判請求人)

被告

オリオン コーポレーション/ホスピーラ インコーポレーテッド(特許権者)

発明の名称等

「ICU鎮静のためのデクスメデトミジンの用途」

分野

医薬類

分類

用途(ICU鎮静)

ポイント

 甲3記載の血管外科患者に対するデクスメデトミジンの投与は,本件発明1の「集中治療を受けている重篤患者の鎮静に使用する医薬品の製造における,デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容し得る塩の使用」ではない点で,本件発明1と相違するから,その余の点について判断するまでもなく,本件発明1と同一の発明であると認めることはできない。

 東京地裁 2018-07-13 平成29(行ウ)290

67

東京地裁 2018-07-13 平成29(行ウ)290

手続却下処分取消等請求

請求棄却

民事 第40部 佐藤達文(裁判長),三井大有,遠山敦士

争点

国内書面提出期限徒過の正当な理由の有無(正当理由なし)

参照条文

184条の4第4項

原告

レッドエックス ファーマ ピーエルシー

被告

国/上川陽子(国代表者法務大臣)/特許庁長官(処分行政庁)

発明の名称等

「ソフトROCKインヒビターとしてのピリジン誘導体」

分野

医薬類

分類

用途(ソフトROCKインヒビター)

ポイント

 補助者の監督者としては,こうした手入力部分について誤入力が起きる可能性があることを予め想定した上で,誤入力を回避するため,細心の注意を払って適切な過誤回避措置が講じることが必要となるが,本件においてそのような措置が採られていたと認めるに足りる証拠はない。

 知財高裁 2018-07-05 平成29(行ケ)10143

22

知財高裁 2018-07-05 平成29(行ケ)10143

審決取消請求

請求棄却

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),高橋彩,間明宏充

争点

実施可能要件(違反あり→あり)

参照条文

36条4項1号

原告

イー.ケー.シー.テクノロジー.インコーポレーテッド(特許権者)

被告

富士フイルム株式会社(無効審判請求人)

発明の名称等

「ウェーハレベルパッケージングにおけるフォトレジストストリッピングと残渣除去のための組成物及び方法」

分野

化学

分類

組成物(フォトレジスト・残渣の除去用組成物)

ポイント

 当業者が,本件明細書の発明の詳細な説明の記載に基づいて,本件訂正発明に係る組成物を生産しようとする場合,具体的に使用するレジストや回路材料等を念頭に置いて,基板からのポリマー,エッチング・アッシング残渣の除去と回路の損傷量を許容し得る範囲に抑えることとが両立した適切な組成物を得るためには,的確な手掛かりもないまま,試行錯誤によって各成分の配合量を探索せざるを得ないところ,このような試行錯誤は過度の負担を強いるものというべきである。

 知財高裁 2018-07-03 平成30(ネ)10007 <原審;大阪地方裁判所平成28(ワ)1453>

78

知財高裁 2018-07-03 平成30(ネ)10007 <原審;大阪地方裁判所平成28(ワ)1453>

特許権侵害差止等請求控訴

控訴棄却

第1部 高部眞規子(裁判長),杉浦正樹,片瀬亮

争点

進歩性(なし)

参照条文

29条2項 104条の3

原告

カワタ工業株式会社 <控訴人(一審原告;特許権者)>

被告

株式会社フジワラテクノアート <被控訴人(一審被告)>

発明の名称等

「固体麹の製造方法」

分野

食品

分類

方法(固体麹の製造方法)

ポイント

 本件発明は,乙14発明に周知技術を適用すること等により当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本件特許は,特許法29条2項の無効理由があり,同法123条1項2号に基づき特許無効審判により無効にされるべきものと認められる。

 東京地裁 2018-06-28 平成29(ワ)28060

37

東京地裁 2018-06-28 平成29(ワ)28060

特許権侵害による損害賠償債務不存在確認等請求

請求却下

民事 第47部 沖中康人(裁判長),横山真通,髙櫻慎平

争点

損害賠償請求権不存在確認の利益の有無(確認の利益なし)

参照条文

民709条

原告

株式会社ヒラノテクシード/ エスケーシー コーロンピーアイ インコーポレイテッド(補助参加人)

被告

株式会社カネカ

発明の名称等

「樹脂フィルムの連続製造方法及び装置及び設備」 <「樹脂フィルムの連続製造方法」事件①>

分野

化学

分類

方法(樹脂フィルム連続製造)

ポイント

 被告は,本件訴訟の提起前に,原告に対して本件損害賠償請求権を主張し,又はこれを行使したことはない上,平成30年4月27日の本件第4回弁論準備手続期日において,原告に対して本件損害賠償請求権を将来にわたって主張及び行使しない旨の一部和解に応じられる旨述べているのであるから,被告が原告に対して本件損害賠償請求権を行使するおそれが現に存在するとは認められない。したがって,本件不存在確認請求のうち,原告に対する本件損害賠償請求権が存在しないことの確認を求める部分については,即時に確定する必要があるとはいえず,確認の利益は認められない。

 大阪地裁 2018-06-28 平成27(ワ)4292

66

大阪地裁 2018-06-28 平成27(ワ)4292

特許権侵害差止等請求

請求認容

第26 民事部 髙松宏之(裁判長),野上誠一,大門宏一郎

争点

損害額(ロイヤルティ料率)

参照条文

102条3項

原告

株式会社メディオン・リサーチ・ラボラトリーズ

被告

ネオケミア株式会社/株式会社コスメプロ/株式会社アイリカ/株式会社キアラマキアート/リズム株式会社/株式会社アンプリー/合同会社SHIN/株式会社ジャパンコスメ/ウインセンス株式会社/株式会社コスメボーゼ/クリアノワール株式会社

発明の名称等

「二酸化炭素含有粘性組成物」

分野

医薬類

分類

組成物(炭酸パック)

ポイント

 被告各製品の販売について相当な実施料率を検討すると,本件各発明の技術分野が属する分野の近年の統計上の平均的な実施料率が,国内企業のアンケート結果では5.3%で,司法決定では6.1%であり,また,本件が侵害訴訟にまで至った事案であることを踏まえると,本件での実施料率は●(省略)●相当である。したがって,特許法102条3項により算定される損害額は,別紙「裁判所認定額一覧表」の「●(省略)●の金額」欄記載のとおりとなる。

 知財高裁 2018-06-27 平成29(行ケ)10178

57

知財高裁 2018-06-27 平成29(行ケ)10178

審決取消請求

請求棄却

第4部 大鷹一郎(裁判長),古河謙一,関根澄子

争点

サポート要件(違反なし→なし)

参照条文

36条6項1号

原告

トライスター テクノロジーズ(無効審判請求人)

被告

エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社(特許権者)

発明の名称等

「経口投与用組成物のマーキング方法」

分野

医薬類

分類

方法(経口投与用組成物のマーキング)

ポイント

 本件明細書に接した当業者は,請求項1記載の波長(200nm~1100nm),平均出力(0.1W~50W)及び走査工程の走査速度(80mm/sec~8000mm/sec)の各数値範囲内で,波長,平均出力及び走査速度を適宜設定したレーザー光で,酸化チタン,黄色三二酸化鉄及び三二酸化鉄からなる群から選択される少なくとも1種の変色誘起酸化物を分散させた経口投与用組成物の表面を走査することにより,変色誘起酸化物の粒子を凝集させて変色させてマーキングを行い,「医薬品や食品のような経口投与用組成物等の品質を損なわずに優れた識別性を有する経口投与用組成物を得ることができ,かつ,生産性にも優れたマーキング方法を開発する」という本件発明1の課題を解決できることを認識できるものと認められる。

 知財高裁 2018-06-26 平成29(行ケ)10151

75

知財高裁 2018-06-26 平成29(行ケ)10151

審決取消請求

請求棄却

第1部 高部眞規子(裁判長),杉浦正樹,片瀬亮

争点

PCT優先権主張の適法性(不適法)

参照条文

特許協力条約規則17.1

原告

バクスアルタ ゲーエムベーハー/バクスアルタ インコーポレイテッド

被告

特許庁長官

発明の名称等

「第FVIII因子ポリマー結合体」

分野

バイオ

分類

方法(第FVIII因子ポリマー結合体の活性維持)

ポイント

 特許協力条約規則17.1(c)及び(d)の規定について,上記のとおり解釈したとしても,本願は,同規則17.1(d)にいう,指定官庁が実施細則に定めるところにより優先権書類を電子図書館から入手可能な場合に当たらないから,JPOは,同規則17.1(c)により,本件基礎出願に基づく優先権の主張を無視することができる。

 知財高裁 2018-06-19 平成29(行ケ)10153

23

知財高裁 2018-06-19 平成29(行ケ)10153

審決取消請求

請求棄却

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),寺田利彦,間明宏充

争点

サポート要件(違反なし→なし)

参照条文

36条6項1号

原告

JFEスチール株式会社(無効審判請求人)

被告

新日鐵住金株式会社(特許権者)

発明の名称等

「熱間プレス用めっき鋼板」

分野

化学

分類

材料(熱間プレス用めっき鋼板)

ポイント

 当業者は,本件明細書の記載に基づき,本件請求項1に記載の「表層に加熱時の亜鉛の蒸発を防止する酸化皮膜を備えた亜鉛-ニッケル合金めっき層,亜鉛-コバルト合金めっき層,亜鉛-クロム合金めっき層,亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金めっき層,スズ-亜鉛合金めっき層または亜鉛-マンガン合金めっき層」が,本件発明1の課題を解決できると認識し得るといえる。

 大阪地裁 2018-06-14 平成28(ワ)2688

30

大阪地裁 2018-06-14 平成28(ワ)2688

特許権侵害差止等請求

請求棄却

第26 民事部 髙松宏之(裁判長),野上誠一,大門宏一郎

争点

技術的範囲の属否(属しない)

参照条文

70条

原告

田中電子工業株式会社

被告

日鉄住金マイクロメタル株式会社

発明の名称等

「ボールボンディング用被覆銅ワイヤ」

分野

化学

分類

材料(被覆銅ワイヤ)

ポイント

 被告各製品は,「金(Au)の表皮層」に相当する構成を備えているとは認められないから,被告各製品の構成は構成要件1Cを充足しない。

 知財高裁 2018-06-07 平成29(行ケ)10061

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知財高裁 2018-06-07 平成29(行ケ)10061

審決取消請求

請求棄却

第3部 鶴岡稔彦(裁判長),杉浦正樹,寺田利彦

争点

進歩性(なし→なし)

参照条文

29条2項

原告

ノボノルディスクヘルスケアアクチェンゲゼルシャフト(無効審判請求人)

被告

ラボラトワール,フランセ,デュ,フラクショヌマン,エ,デ,ビオテクノロジ(特許権者)

発明の名称等

「液体因子VII組成物のウイルス濾過」

分野

バイオ

分類

組成物(液体VII組成物)

ポイント

 甲1文献には,血漿製品製造プロセスにウイルスの不活性化及び除去のための2種の異なる工程を組み込むことが推奨されており,開示されている。そして,本件優先日当時,甲3文献に示されるように因子VII組成物についてナノ濾過が適用されることに加え,ナノ濾過は血漿由来の医薬製剤組成物を含む広範なタンパク質からその完全性を維持したままでウイルスを除去するための慣用の手段であったことが認められることに鑑みれば,甲1発明において,界面活性剤処理とナノ濾過を組み合わせて因子VIIa組成物のウイルス不活性化/除去のための工程とすることについての動機付けはあるものと認められる。

 知財高裁 2018-06-05 平成30(ネ)10004 <原審;東京地方裁判所平成28(ワ)39690>

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知財高裁 2018-06-05 平成30(ネ)10004 <原審;東京地方裁判所平成28(ワ)39690>

職務発明対価請求控訴

控訴棄却

第1部 高部眞規子(裁判長),杉浦正樹,片瀬亮

争点

職務発明該当性(非該当)

参照条文

35条1項

原告

X <控訴人(一審原告)>

被告

新日鐵住金株式会社 <被控訴人(一審被告)>

発明の名称等

「喫水検査」

分野

化学

分類

方法(喫水検査)

ポイント

 控訴人が本件発明の特徴的部分に関して着想し,その具体化を行った時期において,控訴人と被控訴人との間には雇用関係がなく,控訴人は被控訴人から給与の支払も受けていないこと,控訴人が被控訴人から,直接,指揮命令を受けることがあったとは解されず,人的物的資源の提供を受けたとも認められないことからすれば,本件発明は,被控訴人における従業者の発明に当たるということはできない。

 知財高裁 2018-05-30 平成29(行ケ)10167

2

知財高裁 2018-05-30 平成29(行ケ)10167

特許取消決定取消請求

請求棄却

第2部 森義之(裁判長),森岡礼子,古庄研

争点

発明の同一性(同一→同一)

参照条文

29条の2

原告

帝人株式会社

被告

特許庁長官

発明の名称等

「積層フィルム」

分野

化学

分類

材料(ポリカーボネート積層フィルム)

ポイント

 本件発明7と甲1発明との相違点1~3は,いずれも,求められる成形性や機械強度を満たす積層フィルムを得るための具体化手段における微差にすぎないものであり,他の新たな効果を奏するとは認められないから,本件発明7と甲1発明は,実質的に同一である。

 知財高裁 2018-05-30 平成29(行ケ)10111

14

知財高裁 2018-05-30 平成29(行ケ)10111

審決取消請求

請求棄却

第4部 髙部眞規子(裁判長),古河謙一,関根澄子

争点

進歩性(あり→あり)

参照条文

29条2項

原告

パーカー熱処理工業株式会社(無効審判請求人)

被告

オリエンタルエンヂニアリング株式会社(特許権者)

発明の名称等

「表面硬化処理装置及び表面硬化処理方法」

分野

化学

分類

装置(表面効果処理)

ポイント

 相違点1-2について,引用発明1-2と引用発明2とは同じガス種NH3とN2とCO2のみを使用する窒化センサ制御システム付きバッチ型ガス軟窒化炉に関するものであるから,引用発明1-2と引用例2の記載事項の組合せを検討すると,引用発明1-2がいかなる制御方法を採用しているのかは不明であること,引用例2においては,実際のプロセスの進行状態では,NH3とN2とCO2との比率が一定となっているとは認められないことからすれば,上記組合せによっては,本件発明1の「第一の制御」及び「第二の制御」(相違点1-2)の構成には到達しない。

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